小学校高学年、中学校、高校などの皆さんへ

 このページを 見てくださって、ありがとうございます !

 

みなさんにとって 実は とても身近な「茅」や「茅葺き」について 知る・学ぶ には、色々な方法があります。自然・歴史・信仰・芸術・建築…学校で学ぶ教科 すべてに関係するといってよいでしょう。

 

身近な暮らしからの学びは、より広く日本の他の地域や 他の国、地球を知り 考えることへと つながります。逆に、学校で勉強している内容や、進学して学ぶことは、身の回りをよく「知る」ために役立ちます。

 

そして、興味をもって「知りたい」と思った事柄を調べてみると、島を・地球を 考えるための力になります。より楽しく暮らし・よりよい未来をみんなで作っていくために、まずは身近な興味や疑問を、追究してみることをおススメします!

 

今の興味や疑問は、きっと 自分の ”得意なこと”でもあると思いますよ。

 

特に三宅島をはじめとした伊豆諸島は、素晴らしい自然とともに、とても古い歴史と、暮らしの中で大切に伝えられてきた 文化 をもっています。島の文化をじょうずに育んでいけるよう、今生きている私たちも 力を合わせてゆきたいものです。

「茅」を大切に使ってきた 島での暮らしは、これからの地球にとって大切な「自然とひととの関係」を考えるヒントとして、島内・外へ向けて 発信するべき 貴重なものだと思います。

 

「かやぶきっず@みやけじま」のホームページでは、茅や茅葺きについての基礎知識を、まとめています。少しずつ情報を増やしていますので、ぜひ皆さんが調べたことや知っていること・知りたいと思ったことを、教えてください。

 

小さな子どもたちにも わかるように書いたので、ひらがな ばかりで 読みづらいかもしれません。「おとなの方へ」のページ には、少し詳しいことを書きました。

 

「こうしたら 読みやすいよ」「こんなことが知りたい」「自分の得意なことを活かしたい」「おばあさんから 聞いたことを教えてあげる」などなど、メッセージをもらえたら 嬉しいです。

問い合わせフォーム・SNSなどから、質問・ご意見・ご相談・情報提供…お気軽に!)。


「自然」と「ひと」との関係とは…?

三宅島には、野鳥や希少種のたくさん棲み、大昔から育ってきた巨樹がそびえるすばらしい森や、サンゴをはじめとしたやはり貴重な生き物がみられる海がありますね。海や森が大好きで遊びにくるひとや、ここにしかない自然を観察したり調べたりするひとも、たくさんいます。

島外から10年くらい前に来た私も、森や海などの自然が暮らしにとても近い環境で育つ皆さんが、うらやましいです!

 

地球上の多くの場所で、大昔からの自然が少しずつ姿を消し、地球環境にも大きな問題が起きていて、みんなで力を合わせて「自然」を大切に守っていかなくてはならい、ということは、テレビでも学校でも よく聞くことだと思います。

ひとの暮らしに必要なものやエネルギーや街をつくっていくことで、「自然」が 暮らしから離れていきました。特に、明治時代や太平洋戦争が終わって少し経ったころには急激に、暮らしが大きく変わりました。自然や昔の記憶をみんなで伝えていく取り組みのひとつが、「天然記念物」を含む「文化財」や「世界遺産」ですね。

 

昔の島での暮らしは、島外から物を運ぶのが今よりずっと大変でしたし、舗装された道路もありません。噴火によって森や畑や家が埋まってしまうこともあり、強風の多い厳しい気候、川ができないくらい、水も貴重です。ひとの暮らしは もっともっと「自然」のあり方に左右され、島の中にある限られた資源(=自然のもの)を利用していく必要があり、「自然」とうまく付き合っていかなくてはならなかったのです。

素晴らしい自然が保たれ、今でも 自然の厳しさや恐ろしさを感じる三宅島では、昔からの暮らしの記憶がのこっています。手つかずの自然・原生林ばかりではなく、火山の影響ののこる限られた土地を、ひとが工夫して使い、自然と良い関係を保ってきた賜物です。むしろ島全体が「里山」のようなものだと思います。

ずっと昔から伝わる、人為(ひとの力)を超えた存在を大切にする心(神仏や不思議な伝説など)や それを表す行事(祭・儀礼など)や場所(神社など)も、重んじられてきました。ひとが約束をして立ち入らないようにして、のこされてきた森もあります。


島の「文化」をそだてる、「歴史」となっていく

島にある「自然」を工夫して上手に使い、「自然」を大切に想う気持ちをもって みんなで力を合わせていくための知恵と努力が、先人によって積み重ねられて来ました。古いものを、大切に伝えることに繋がったのだと思います。自然との関係の中で、島の「文化」が育ってきたことがとてもよくわかります。私たちも、それを受け継ぎつつ これからの私たちや島について考え、島の歴史を紡いでいくひとりです。

 

島のたくさんの先輩たちは、単に古いものをのこしてきただけではなく、工夫して、よりよいものへと変えてきたのだと思います。その中で、大事なものが残念なことに失われてしまった場合もあったでしょう。

「文化」は「発展」するもの…古いものを大切に引き継ぎつつかわっていくものであり、それも、よいものにかわっていくことこそが、その地域(島)のためになる、と私は考えています。

 

三宅島をはじめとした伊豆諸島でも、自然環境は大きく変化して危機を迎えています。これからどのように、島の自然と暮らしを保ってゆくべきでしょうか? 力を合わせて考え 取り組んでゆかなければなりません。


どんなアプローチができるだろう?

まずは、島の自然と文化を知ることから。もちろん大学の先生にもまだわからないことが沢山あり、多くの人が、三宅島の暮らしや歴史 についても知りたいと思っています。「文化財」もたくさんあります。

島に住んでいる私たちには、何ができるでしょうか?

 

これまで、野鳥や海、最近は巨樹についてなど、みなさんも大自然に親しんで島の子ならではの体験をしてきたと思います。ハチジョウススキや畑は、いつも見ている風景の中にありますが、自然とひととの関わり…島の文化…を知る入り口のひとつです。暮らしや体験の中で疑問に思うこと、ふと興味をもったことを、ぜひ調べてみてください。そこに住むひと自身による郷土についての学びが、島のことをより明らかにし、よりその素晴らしさを見出し、より効果的に伝えていくことへ繋がります。感じたことをきっかけに、自由にたのしみながら、まなんでみましょう。


「研究」のススメ※主に文化系

知りたいことがあったら(学校の課題でも‥)、自分で調べることができます。

 

下で紹介する「調べる方法」(調査)は、大学でする調査研究に近いですが、現在はインターネットでの検索や 本の取り寄せもできますから、島にいながら、「研究」をすることができます。小学校で使った 「わたしたちの三宅島」(副読本)でも、調査の方法が、やさしく説明してあります。

こちらのページも参考に。「かやのせんせい」では、やさしく解説。

※自然科学の「実験」はまたちょっと別のやり方ですね。

 

誰かが既に調べて発表していることならば、図書館で調べたり専門家に聞いたりすることで、知ることができます。

もしまだ誰も調べていない事柄ならば、自分で色々な「証拠」を集めて、発表しましょう。 どんな小さな興味や疑問であっても、「本(文献)や情報を証拠にして、示す」ということは、立派な「研究」です。

 

調査は、その「証拠集め」の取り組みなのです。

充分に調査ができたら、その結果について考え、まとめます。

誰に伝えたいかを意識して、証拠をしっかり示した上で、わかったことを表現しましょう。文章だけでなく、写真や図・絵、地図なども使ってわかりやすくするとよいですね。

 

ただし、調べたからといって すっかり「わかる」とは限りません。「何を知りたいか」というテーマを考えるところから再出発する必要がある場合もあります。そんな時は、先生や友だちに相談したり、自分自身で整理する方法(「KJ法」など)を学んだりして、諦めずに考えてみましょう。

 


調べる方法

①本を調べる →参考サイト・図書のページ

まずは、知りたいことを、誰かが調べて書いたもの(本や資料)があるのかどうか、確認してみましょう。

 

図書館で本棚をみる時は、どのコーナーに行ったらよいのか確認します。

わからない場合は係のひとや先生に質問しましょう。

・三宅島では、三宅村立図書館(阿古)と、三宅高校図書室(開放日は、IP告知端末で確認)を利用できます。

 

・高校図書館の方が、伊豆諸島の資料や 調べるための本が沢山あるようです。

 

・三宅村の図書館では、利用者が自由にPC上の蔵書検索をすることができませんが、受付で尋ねれば、検索してもらえることもあります。

 東京都立図書館の本を、取り寄せてもらうこともできます。

 

 「東京都立図書館」蔵書検索 をつかって、探してみましょう。

「キーワード」からの検索もできます。

こちらも便利→東京都立図書館リサーチページ (ufinity.jp)

 

 ・「国立国会図書館」蔵書検索も、どんな本や論文が存在するのか、調べることができ、おもしろいです(少し難しいです)。

 

 

②フィールドワーク(地域の様子を観察したり、地域の人に質問したりして調べる)

小さい子どもに戻ったような気持ちで、情報を吸収できたら最高!

フィールドワークで得た情報は、いくつかの情報をお互いに比べたり本で調べたことを参考にしたりして、「そこから何がいえるのか」「わかることは何か」、考えてまとめましょう。情報を整理する方法のひとつに、「KJ法」があります。

 

・聞き取り調査:マナーを守って、楽しくお話を伺えるといいですね。メモや撮影・録音などをします。いつ・どこでなどの情報をしっかりと聞き取ります。地図があるとよいですね。前もって聞きたい内容を考えておきますが、その場で疑問に思うことが出てくると思います。慣れてきたら、上手にメモを取りながら臨機応変に質問ができるようになると思います(それが、講演会などと違う、聞き取りのよいところです)。

 

・観察:五感でよくしり、写真やスケッチ・メモなどで記録をしましょう。みる・きく・かぐ・さわる(危険なモノには注意!!)…など。自分の・実際の「感覚」を信じ、大事にしましょう。

 

・体験(参与観察):実際に参加や手伝いなどをさせてもらうことで、初めてわかることも多いです。どんなことでも、「異文化」を体験するつもりで、臨みましょう。

 

 

 

③研究者や専門家に質問をする

・「茅」「茅葺」の学習では、大学などで研究してる「かやのせんせい」が、時々三宅島に来てくれます。また、オンラインなどでお話できる機会を設けていきたいと思っています。先生方も、皆さんとのお話から 発見があるそうで、楽しみにしてくれています。聞いてみたいことを、まとめてみましょう。

 

④インターネット検索

インターネットで、関心のある情報を調べる場合には、そのサイトに掲載されている「情報の正確さ」に注意する必要があります。

・サイトを制作・運営している人(団体)はだれか。

 その人や団体についての情報(自己紹介・沿革・公式サイトなのかどうか等)

 

・いつ誰がかいた記事か。いつ誰が、どこで撮った写真や動画なのか。

 参考資料・典拠(証拠)は書いてあるか。発信している責任者の情報が信頼できるか。

 

・危険なサイト・偏った情報などもありますので、鵜呑みにせず、仲間同士で話し合ったり先生に尋ねたりして、慎重に扱いましょう。