みんなで力を合わせて ! 調査・研究

茅・茅葺き に まつわる 探究をご一緒に

「調査」「研究」は、難しいもの・専門家がすること、というわけではありません。学校の課題や総合学習でもしますし、趣味で取り組んでいるひともたくさんいます。

特に、身近な「茅(文化)」に関しては、その地域にしかないことを調べる必要があり、いつも見ているひと・使っているひとなどの 知識や情報が何より大事です。当然のことながら、専門家も知らないこと・調べきれないことが、とってもたくさんあります。他の地域のことも知っている専門家がみて「これは三宅島/伊豆諸島に特有だ」「三宅島でとくに素晴らしい」と教えてくれることもあります。

地域の外からの目/中からの目、両方からみることが 大切だと思います。

 

「三宅島の茅・茅葺き」について、ぜひ 島に住むわたしたち自身が 調査・研究に参加して、専門家と一緒に、明らかにしていきましょう!全国的な流れのなかでも、縦割りになりがちな組織の垣根を超え「協働」する取り組みが、様々な分野で重視されつつあります。黒田先生の御研究もそのひとつです。

 

「茅」につながる色々なことを、みんなで少しずつ調べ、記録を積み重ね、三宅島から''発信''できると思います。そして、島の未来へ繋げていきましょう。

 

島にいながらの調査のススメ(文献・フィールド調査)、中学生位向けに紹介しています。

▷▷おにいさんおねえさんへ

①「三宅島の茅・茅葺」についての情報収集

これまで、何人かの島の方のお話や、文献、専門家からのお話などにより少しずつわかってきたことがありますが、今後も長く続け、できる限り多くの情報を得たいです。研究者の方々も、三宅島に来たり三宅島に関する文献を読んだりして、それぞれの専門分野から 調べてくれています。

暮らしのなかで「あたりまえ」と思われていることが、実は貴重な証言であることも、あるのです。

 

<主に、「聞き取り調査」で質問したいこと>

・ハチジョウススキの「種類」

どんな形状の植物を、カヤ・マグサ・(ススキ)と呼んでいるか

 

・ハチジョウススキをどのようにつかっているか

(カヤ・マグサ それぞれの使い方)

(いま・むかし)

 

・「茅場」「カヤ刈り」の思い出。

(むかし)※今はないと思われる

(何年前頃・何月頃・場所・道具・運搬(リヤカー?)・人数・どのくらい採ったか・当番制などがあったか・共同の茅場or個人持ち?)

 

・茅葺き屋根の建物、葺き替えをみた記憶

 囲炉裏のある建物の記憶

 

・ハチジョウススキをつかったものづくり

(むかし)

 

・ニガッタケ(?)をつかったものづくり

(いま・むかし)

(籠・箒・玩具・茅葺き屋根にも使った。その他にもあるか。)

 

 

・その他の植物をつかったものづくり(いま・むかし)

 

※聞き取りで、必ず確認して、記録すること

・「どこ(地区・どの島か、みた場所など)」でのことなのか?

・「誰から」「いつ」聞いたお話か?


<観察して 記録していきたいこと>

・ハチジョウススキが生えている場所(地図上で)

さらに、地形的な特徴は?、その場所に生えているものの形状は?)

(「本土のススキ」に近いカヤか、マグサか、中間的なものか。)

 

・他の植物が混ざって生えているか。

 

・ハチジョウススキが生えているところにどんな生き物がいるか。

 

有意義な情報を、自然科学系の先生やアカコッコ館などへ、尋ねてみたいと思います。

 

②「茅」からつながる、いろいろなテーマ

「三宅島の茅」は、色々なことに繋がります。疑問に思うこと、気がついたこと、課題が色々、湧いてきます。ひとりひとりの着眼点が、研究をすすめてくれます!

 

図書館や資料館でわかるテーマ、もう誰かが調べまとめているテーマもありますし、まだ誰も調査に着手していない事柄もあります。

(テーマの例=わたしが気になっていること)

<三宅にこだわらず、一般に「茅」「ススキ」について深めたい>

・芸術史のなかのススキ(文学・美術・工芸)

・茅で、屋根以外にどんなものをつくれるのだろう

 

<三宅島の歴史・文化について知りたい>

・三宅島の茅葺き屋根の変遷(棟数など)

・三宅島の茅場の変遷

・三宅島の陸稲等畑の変遷

・古代以来、「式内社」としての都との関わり

・三宅島の古文書にはどんなものがあるか

・三宅島の古代・中世の痕跡

・今でも暮らしにのこる古いことがらとは?

・三宅島役所跡がどう使われてきたか。

・三宅島役所跡の庭園について

 

その他‥‥調べたいこと・知らなくてはと思うことが山積みです!